日本は製造業の分野では海外での実績は周知のとおりですが、昨今のコンテンツ(主にヲタ文化の)産業が海外でウケているのも同様に「日本国産」であることが売りであり、必ずしも海外に拠点を移す必要はありません。
ニコ動なんかも、以前は画面の右下に他国(他言語)版のニコ動のリンクがあったけれども、海外の人はそれを見ずに日本語版のニコ動を見て楽しんだり投稿したり放送したりしているようです。
海外にも「郷に従え」的な文化があることを、個人的には初めて知ったのですが、だとすると日本人が世界でサービス展開をするためには必ずしも提供側が世界に対して迎合する必要はないということです。
ここでふと思うのが、楽天の「社内言語を完全に英語化しよう」という試みです。なんでもTOEICで規定の点数を割ったら立場が危うくなるんだとか?w
英語公用語化の目的は
■日本の技術者は海外の集まりに出て行かない
■海外の文献を読まない
■グローバル企業の基本言語は英語ということ
ということらしいです。
まぁ理系の研究者についてはけっこう英語の論文を読みも書きもしますけど・・・。
菅がe-G8で何も発言できなかったり国際舞台で孤立していたのはみんな知ってのとおりですけど、中曽根や小泉や麻生が優秀だったわけではなく、多くの日本人は菅のようになってしまう気質があるのだと思います。
三木谷はこれを無理くり変えて世界で活躍する人材を育成しようと、世界にサービスを広めてくれる人材を育成しようと、そういう意図があるのでしょう。
ただ、その国その地域にサービスを持ち込もうとした場合、言語だけでなく慣習や商習慣についてもできるだけ違和感を感じさせてはいけないと思う。
日本に進出してきた海外企業ひとつとっても、おそらく若干違和感のある日本語で作成されたHPを見ただけでは「よくわからない」と思うでしょう。会社概要の書き方から既に慣習が向こうとは違うわけです。
内容をなんとなく理解はできたとしても、いざ取引をしようとすると契約となるわけで、そうなると法律だったりとか色々とシビアな問題も絡んでくるわけで、実際の窓口では日本人が対応したとしても、そのバックにある会社に対して理解(というか精神的な納得にもとづく判断)がなかなかできないと思います。特に日本人は。
グーグルなんかは無料だしリスクが無いと思ってみんな使ってますけど、規約だとかを細かく把握して使ってる人なんてあんまりいなさそうですよねw
で、一番気になるのは、楽天が
■先進国に進出して成功しようとしているのか
■後進国に進出して成功しようとしているのか
の、どっちなのかってことです。
当たって儲かるのは前者ですけど、それはつまり米国で成功を収めて、それを日本に逆輸入するということです。現地と同レベルの言語能力を身につけて初めてスタートラインに並べるわけですから、このハードルはかなり高いです。
提供しているサービス自体がオーソドックスなものなので、これは無いと思います。
後者は後進国のネット上のインフラを便利にして生活を向上させようということですけど、結局日本との格差を考えるとあんまり儲からないんじゃないかな・・・と思うのです。
後進国と先進国の情報ギャップを埋めるサービスだから現地の人には喜ばれるとは思いますが、現地右翼とかの存在はまーここでは触れないとしても、果たして採算がとれるのか、ということですね。
それに進出した国の賃金と能力の兼ね合いで、既存の日本人従業員の賃金が下げざるをえないことにもなるかもしれませんし、そうなると他社に貴重な人材が流出する懸念もあります。
まー、一番の目的は、社内で腐る人材を生まないためのカンフル剤的な英語公用語化だと思いますけどね。うまいこといけばいいんですけど。
タイトルと全然関係ない締め方しちゃうけど、ー、一が顔に見えますたw
ワンマン経営者は何かと批判ややっかみの対象になりがちだけど、一代で業界を代表する企業にまで育て上げた手腕とそのマインドからは必ず学べる部分がある。会社が大きくなればなるほど、社長の意志を全社へ浸透させることが必須だ。