■東京新聞コラム
http://www.tokyo-np.co.jp/article/seikatuzukan/2012/CK2012090202000154.html
■内閣府統計資料
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2012/gaiyou/pdf/1s2s_3.pdf
平成22年の統計で男性の平均寿命は79.64歳、女性の平均寿命は86.39歳であったが、健康寿命は男性が70.42歳、女性が73.62歳ということで、平均寿命と健康寿命の差は男性が9.22年、女性が12.77年であった。
健康寿命とは、介護を受けたり寝たきりになったり認知症になったりせず自立して健康に生活できる期間のことだ。男性は約9年、女性は約13年もの間、自立した日常動作を行えない余生を過ごすことになる。
平均寿命と健康寿命の差にあたる期間は、医療費や介護給付日といった社会保障費用が多くかかる期間であることを意味する。
厚労省は健康寿命を延ばす対策を取る方針を固めているため、よりいっそう高齢者優遇の風潮が強まることになる。
飽食による生活習慣病の増進と医療の発達の両輪で、今の不健康な長寿大国ができあがった。
年金制度のお粗末な設計といい、日本の厚労官僚は「今」しか見れない人材の巣窟なのだろうか・・・?
少なくとも少子高齢化を想定した上で社会保障の設計をすべきであった。起こりうる最悪の想定もなしに行政の舵を取ってきたのだとしたら本物のバカだ。
社会保障費のことだけを考えれば平均寿命を縮めることがベストだが、倫理的にそんなことは誰も言えないし、負担が重くのしかる若者が不幸であっても最大数を占める高齢世代の幸福度を充実することが日本社会全体を良くすることになるから、政治も行政も高齢世代の方を重視する。
という現状を踏まえてできることは、健康寿命を延ばすことだ。
健康寿命を延ばすには、認知症の原因の3割を占める脳卒中の防止、つまり血管年齢を若く保つことが重要だ。動脈硬化を防ぐための食習慣やエクササイズは意識的に日常生活に取り込んでいくべきである。
また、寝たきりの原因となる骨年齢の低下を防ぐこと、具体的には骨粗しょう症の予防に努めることも大事だ。
さらに死因No.1のがんの多くは内臓にできるが、その中でも免疫に深く関係する腸の健康へ意識を向けると良いだろう。がん以外の病気の予防にもなる。
老化物質を溜めやすい以下の10項目については即刻改善すべきだろう。習慣化すれば無意識に実行できるものばかりだ。
1. 喫煙
2. 運動習慣がない
3. 加工食品が多め
4. 過剰に日光を浴びる
5. ストレスが多い生活
6. 満腹まで食べる
7. 脂っこい食事が多い
8. 睡眠不足
9. お酒の量が多め
10. 不規則な生活
具体的に日常できる基本的なことは、
・塩分を控える
・動物性たんぱく質を控える
・野菜や果物を多めに摂取する
・大豆、乳製品を多めに摂取する
・魚介類、海藻類を多めに摂取する
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